体験談(家族・妻)


断酒会にたどり着いて、道半ば

50代 女性


 夫のお酒の飲み方がおかしい?と最初に気付いたのが16年前、子供が生まれたのがきっかけです。

 新生児がいて、いつ何が起きるかわからないのに、毎晩の晩酌を辞めないばかりか、夜中に千鳥足で子供を踏みそうになったこともありました。

 心療内科を受診し、夫はその段階では、アルコール依存症の“疑い”という診断で、同時に私は、共依存症、アルコール「妻の会」でのグループカウンセリングを受けることになりました。

 「共依存症」、私はこの時初めてこの言葉を知りました。と同時に飲酒に問題があるのは夫なのに、なぜ私が通院しなければいけないのか?と憮然とした表情で「妻の会」に出席したのを覚えています。

 「妻の会」での学習と夫の心療内科受診は2年ほど続きましたが、転居をきっかけに辞めてしまいました。しかし、夫の飲酒習慣は改まることなく、否認も強くなっていきました。

 通院を辞めてから5年程、会社を休んでまで飲酒するようになり、アルコール専門病院で即入院と言われたにも拘わらず、通院・入院を拒否。自力で節酒するの一点張りでした。

 夫の症状が重くなるにつれ、私の行動も悪化していきました。隠してあるお酒を探し出しては、水で薄めたり、捨てたり、酔っぱらいを大声で罵倒したり、過去に学習したことはもうどこかにいってしまいました。

 

 そして今年に入り、通勤中に酒気帯びで転倒したことがきっかけで、夫は精神科へ入院することができ、私も落ち着きを取り戻すことができました。

 振り返ってみれば、夫ばかりではなく私もなりふり構わぬ異常な行動をくりかえしていたと思います。

 これからは、断酒例会に出席し、他の方の体験談を聞きながら、自分の心の中のからまった紐をひとつひとつ解いていこうと思います。